映えない一人旅

時代に反して ”映えない一人旅” をしております

一人旅を始めたきっかけ

 

あれは確か2008年・・・

雑誌で見かけたアンティーク雑貨や文房具に惹かれてどうしてもチェコに行きたかった私は、前年の夏休みに一緒にパリに行った同期とは何となく疎遠になってしまっていたし、社外の友達とは予定が合わないし、どうしたものかと悩んでいた。

 

そこで私の予定に合わせてくれそうな時間の沢山ある人・・・、仕事を辞めて休職中だった姉に「〇月〇日~○月×日までプラハに行こうよ!」と声をかけたら、二つ返事でOKをもらえた。

 

当時毎日のように夜遅くまで残業し疲れ切っていた私にとって、大学時代にバックパッカー経験があり自分より旅慣れた姉が、旅行の予約を率先して進めてくれたことにとても助けられた。観光地とかレストランとか、きっと良さそうなとこ調べて連れて行ってくれるだろう!!と・・・

 

そしていよいよ出発1週間前。

仕事中に姉からのメール。旅行のスケジュールでも送ってくれたのかと思い、メールを開いて心臓がギュっと締め付けられた。

 

メールには以下のようなことが書いてあった。

 ・就職面接の予定が入ったので行けなくなった

 ・旅行会社へは1名キャンセルと連絡済

 ・キャンセル料と1名様用の追加料金は自分(姉)が負担する

 ・バウチャーやチケットもあんた(私)の家に送るよう手配したから一人で楽しんで!

 

もう私には一人で行くという選択肢しか残されていなかった・・・

すでにバックパッカーとして一人旅経験のある姉は、私が「一人じゃ行けない!」「一人になるなら私もキャンセルする!」と言い出すことなど想定していなかったのだ。

 

こうして出発前日まで残業に追われ、心の準備も旅の準備もろくに出来ないまま、初めての海外一人旅に出かけることになったのである・・・。

 

ちなみに当時はガラケーだったし、街中にWi-Fiが飛んでいることもなかった。

パッケージツアーで泊まるホテルも目ぼしい観光地も、行きの飛行機の中で旅行ガイドから探し出し、赤ペンで地図に丸をつけた。現地での移動も、ガイドに載っている路線図と、簡単な乗り方の案内文だけが頼りだった。

 

Googleマップに頼り切っている今、当時のような状況で旅が出来る自信はない・・・

あの頃の自分の勇気を素直に褒めたい!!そう思う。

 

そして無事に帰ってこれた私は、翌年の夏休みも、その翌年も、一人で海外旅行に行くようになったのである。